2011年3月22日火曜日

夢四夜「友に捧げる二十秋歌」その三



所用で函館港の巴大橋から朝市へ。函館の旧市街地と函館山そして巴の港。何と素敵な眺めか。秋晴れの一日。夕陽が美しく港を染めている。かっての海峡の女王「摩周丸」が桟橋に係留されている。ただ、もう船のスクリューは取り外されている.......。

十一歌
あでやかに夕陽に包まれ
  紺(あお)色のただ寂しげに
                                          摩周佇み



還暦過ぎてのラブソングにはいささか照れがある。我らがMukkuri-7  Sakiika Boysはバラード、恋歌が多い。我が歌も万葉の世界であり啄木だ。夕焼けが綺麗な温かい秋の一日.....。

十二歌
夕ふぐれの空の彼方の茜雲、
         寂しき夜は何処に行かん


寂しげに更けゆく十字街


十三歌
おやすみを言えずにタップ指先の
                    何の文字探す戸惑い月夜



娘はまだ、独り者である。将来、愛する人と出会い結婚するのだろう。もうすぐ故郷へ帰って来る。やがて嫁ぐ君へ......。
十四歌
白無垢に三つ指揃へ角隠し
         涙の頬はなにを語らん



秋分の日に久しぶりの墓参りである。両親は早くに亡くなった。二人とも一週間も入院しないで。五ヶ月も離れないで..........。
十五歌
父母の墓に参りて秋空の
    あまりに高く彼岸花そっと

もっと話をしたかった。酒を酌み交わしたかった........






2 件のコメント:

  1. 十三歌>言えない思い、つれない思い、やるせないひとときを掬い取れるのが短歌の良いところ。俵万智の歌かと思いました。

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  2. いつも文月さんの温かい励ましありがとうございます
    「目がしらを そっとなぞらん 指先の タップならずに そのまま眠り」なんて歌もありました。

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