夢四夜「友に捧げる二十秋歌」その三
所用で函館港の巴大橋から朝市へ。函館の旧市街地と函館山そして巴の港。何と素敵な眺めか。秋晴れの一日。夕陽が美しく港を染めている。かっての海峡の女王「摩周丸」が桟橋に係留されている。ただ、もう船のスクリューは取り外されている.......。
十一歌
あでやかに夕陽に包まれ
紺(あお)色のただ寂しげに
摩周佇み
還暦過ぎてのラブソングにはいささか照れがある。我らがMukkuri-7 Sakiika Boysはバラード、恋歌が多い。我が歌も万葉の世界であり啄木だ。夕焼けが綺麗な温かい秋の一日.....。
十二歌
夕ふぐれの空の彼方の茜雲、
寂しき夜は何処に行かん
夕ふぐれの空の彼方の茜雲、
寂しき夜は何処に行かん
寂しげに更けゆく十字街 |
十三歌
おやすみを言えずにタップ指先の
何の文字探す戸惑い月夜
おやすみを言えずにタップ指先の
何の文字探す戸惑い月夜
娘はまだ、独り者である。将来、愛する人と出会い結婚するのだろう。もうすぐ故郷へ帰って来る。やがて嫁ぐ君へ......。
十四歌
白無垢に三つ指揃へ角隠し
涙の頬はなにを語らん
白無垢に三つ指揃へ角隠し
涙の頬はなにを語らん
秋分の日に久しぶりの墓参りである。両親は早くに亡くなった。二人とも一週間も入院しないで。五ヶ月も離れないで..........。
十五歌
父母の墓に参りて秋空の
あまりに高く彼岸花そっと
父母の墓に参りて秋空の
あまりに高く彼岸花そっと
もっと話をしたかった。酒を酌み交わしたかった........
十三歌>言えない思い、つれない思い、やるせないひとときを掬い取れるのが短歌の良いところ。俵万智の歌かと思いました。
返信削除いつも文月さんの温かい励ましありがとうございます
返信削除「目がしらを そっとなぞらん 指先の タップならずに そのまま眠り」なんて歌もありました。