2011年9月2日金曜日

夢三十六夜「暑き濃き葉月に詠う」



暑い夏の到来である。北の国でも爽やかな初夏から本格的な夏になると全てが濃くなり暑くなる。我が歌は恋歌が多い。

寂しい秋。寒い冬。待ちに待った春。そして初夏を迎える嬉しさ。

濃い夏にも少しだけ季節を詠う。




暑き夏に詠う

夏空に 絹の衣を かざしおり 
    
     臥牛の山も ゆらり陽炎




緑濃き 楠木の下 我憩ふ 


    高層ビルの 狭間の空見る






少しづつ 変わりつつある 世の中に 


    我だけ気づかぬ 昔に居りて



明けやらぬ東の海のあさぼらけ 


  朝日のやうに 爽やかに






歌会始に詠進しない「岸」歌三首




寄り添いて桜爛漫、岸辺には


     今は君なく水の流るる




二人して歩く岸辺の砂の道 


     星空見上げ何を誓わん






なにごとも無かっやうに岸辺には


      蒼く輝く月に照らされ








爽やかな風が入って来る綺麗な十三夜の月影




君の弾く調べは遠く半月に


     響き聞こえん今日十三夜




我も弾く空を仰ぎて哀しくも


   レソファソソラシラ海原に居り




若人の快音聞こえ西方の街に


       球児の白球追いて




今はもう忘れてしまいバル街の


    君の奏でるふるさとに帰る





友人が若葉の京の都での結婚式に贈った二首である。「繭のやう優しく君を包まんと京の都に我誓う日に」「ふりそそぐ若葉のやうな優しさに私あなたに永遠に抱かれて」。来年の三月赤ちゃんが生まれるそうだ 祝歌一首。



手を置きて優しき動き確かめん


       弥生三月私の花咲く





友人のふるさと福島は今は誰もいなく


ふるさとの墓に参りしみちのくの


       緑の里山何も語らず




葉月十三首。やがて季節は秋へ