夢三十四夜「文月の逢瀬」
函館にも短い夏の訪れである。五月から六月にかけての好天から一転、北海道は七月に入るとオホーツク海の乾いた高気圧の影響を受けて冷たい山背風が吹く。東風は悲しい程冷たく寒いのである。
一方、梅雨前線は北東北に停滞し函館辺りは「蝦夷梅雨」になる。
折角の織り姫と彦星の出会いの七夕の日は天の川は久しく見えたためしがない。年にたった一度の逢瀬と言うのに。
七夕三首
カササギの架けし橋を渡り来て
織姫に逢ふ今日、天の川
雨に濡れ七夕飾りの何気なく
星彦探す文月七日
七夕のたった一度の逢瀬なれ
願ひ叶わぬ雨空見あげて
天空を二人の恋人同士の素敵な歌が飛び交っている
「命より 流されし涙は また命
恵みてゆくらむ」wkn-yam
返歌
涙さへ流さず今日に生き行きて
君の思ひを半月に託し
夕ふ暮れの夏空仰ぎ彼の地にて
二人して詠む素敵な愛を
夜中に天空を恋人達の愛歌が飛び交う夜
天空を恋駆け巡り三十一の
愛の呟き我見守りて
悲しきはピアノの音に流れきて
海霧に抱かれ函館の朝
「それぞれに巣立つ君らをわけへだてゆく
かもしれない格差というもの」 Long ShanXiu
返歌
虫けらのやうに無視され
我が身なれ虹見ゆる時、雨の後には
「巣立つ朝 母が賜ひしアルバムの
幼き我抱く母をぞ見入る」wkn-yam
返歌
微睡みて柔はらかき肌に手を置きぬ、
ふと母の夢幼き我に
「海の青陽炎ゆれて夏雲の
湧き上がる君へのおもひ」wkn-yam
返歌
陽炎に纏われ臥牛の山肌に
夏来たりなば早一年(ひととせ)に
陽炎に纏われ臥牛の山肌に
夏来たりなば早一年(ひととせ)に
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